ミニマルな暮らしで得られたこと

「シンプルに生きる」そう決めたときから、私の人生は大きく変わりました。

30代の私は、すっかり自信を失い、これ以上傷つくのが怖くて家から出られないし仕事もできなくなっていました。周りは自分を嘲笑ってるような気がするし、怖くて電話にも出れません。インターネット上でもコメントとかもちろんできない見る専門。部屋はにはものがあふれ、服がベッドの上に山盛りになっていたり、あちこちにほこりが溜まってたり散らかり放題。周囲の言葉に一喜一憂し、ちょっとしたことでイライラするし、とにかく、自分がキライでした。

そんな混乱の中、『ミニマル』『禅』という言葉を知りました。あらゆるものがシンプルで、調和されていて、清らかで見通しよい状態です。強烈にあこがれました。シンプルに生きようと決め、ようやく自分の人生に真剣に向き合うことになりました。

そうして10年がたった今、当時とは比べ物にならないほど穏やかでスッキリとした毎日を過ごすことができています。そこであらためて、ミニマルな暮らしをして得られたこと、整理してみようと思います。

本心に気付くようになった

自由に夢が描けなくなったり、やりたいことが見つからない。それは、世界中のあらゆる情報や、誰かからのアドバイスに影響されすぎているからだと気づきました。無責任に縦横無尽に飛び交う情報との距離を見直すため、一度すべてを遮断しました。テレビを手放し、SNSを見るのをやめ、ニュースも見ず、本も見ない、人とも対話しない(笑)

すると、なんだか物足りなくなってきて、やっと『自分が』欲しいものに気付いていきました。「なんか、心のことを勉強してみたいな」「お家で仕事したいな」とか。そういう小さな「やりたいこと」に気付くようになりました。

この『外からの情報に刺激されるやりたい』ではなく『内から湧き出るやりたい』。小さい頃はすっごく身近にあったのに、大人になるにつれて消えていった感覚だったのでしょう。最初、気づいたときものすっごくうれしかったのを覚えています。

情報は使い方次第。適切な距離感を持つことが大切だなと思いました。

フットワークが軽くなった

シンプルに暮らし、体と心の調和を意識しつづけていると、身も心も身軽になっていくので、とにかくやりたいと思ったときに自由に動けるようになります。本当は守らなくても大丈夫だった「こうすべき」「こうあるべき」という義務やルールから解放されていき、多少不安があっても一歩を踏み出す勇気を持てるようになりました。年甲斐もなくYoutubeで顔出ししたり軽自動車でわちゃわちゃできるのもこのおかげだと思います。

何かをはじめることも、逆にやめることも、「したいな」と思ったときにできる、その身軽さはとても心地よいです。

自信を取り戻せた

自分は大丈夫だ、というナゾの自信が復活しました(笑)ひきこもりで家から出れなかった上がり症の私でも、気がつくと1000人の前で堂々と話ができるようになってました。

今思えば、自分をよく見せようとしすぎたり他人の評価を恐れすぎていたんだなと思います。大したことないと思われるんじゃないか、バカにされるんじゃないか、恥ずかしい思いをするんじゃないか、そういう不安が自信を失わせていたんですね。

シンプル生き、自分との対話を進めていくと、『私は私。長所も短所もつきもののフツーの人間。そのまま見せるしかない。受け入れてくれる人は必ずいる』と心底信じることができました。それが自信につながっているんですね。

集中力があがった

時間や空間から余計なものが消えるので、とにかく集中力があがります。気持ちよく集中できているときは最高の気分です。

それまでは、食事しながらあの仕事どうしようかと考えたり、家族と話しながら別のこと考えたりしてたんです。気がつくとアプリゲームやってたりYoutube2時間見てたりとか(笑)

シンプルな暮らしをしていると、そういう『ノイズ』に気が付くので、自然と集中できる環境に持っていくことができるようになりました。おかげで仕事の効率もあがりましたし、人間関係もよくなりました。

もちろん気分転換にゲームしたり遊んだりもしますが、遊ぶ、休むっていうのも、集中力がいるんですよ。遊んでるときや休んでるときに仕事のこと考えたり、やらなきゃいけない手続きを思い出したりするとそれはノイズです…。

収支が安定した

余計なものを買わなくなったので、自然と支出が減りました。生活用品もよほどのことがないかぎりまとめ買いもせず、無くなったら買う、をしています。まとめ買いをして結局使わなかったことがよくあったんですよね…。これは貪ってる証拠だなぁと思って、やめたらすっきりしました。サブスクも年契約より月額契約にします。割高ですが、私の経験では不要になったらすぐやめられる方がコストはかからないなという結果が出ました。

周りにも良い影響を与えられるようになった

これは棚ぼたというやつです。やっぱりこの世に生を受けたからには、何かお役に立ちたい、社会貢献したい、って気持ちがあるんですが、シンプルな暮らしをしてると自然と興味を持ってくださったり、私なりのアイデアを整理してお伝えすることで感謝されることが多くなりました。

夫も結婚当初は1泊の出張に靴下5足持っていくような安定志向の人で驚いたんですが(笑)自然と今は『シンプル生活』に興味を持ってくれていて、家からどんどんモノが減っています。

良い影響を社会にもたらしたいと思ったら、自分を律することからはじめるのが順序なんだな、と実体験で感じました。


なんだかまだまだあるような気がしますが、いったん整理して出してみました。

こうやって振り返ると、本当に多くの恩恵を得られてるんだなぁと驚きです。シンプル生活のきっかけをくださった方、協力をしてくれた家族、見てくださっている方への感謝の気持ちでいっぱいです。

一朝一夕でできることは少ないのですが、一度、机の上をキレイにしてみてもいいかもしれませんね。一度全部モノを下ろして、拭いて、その机の前に座ってみてください。めちゃくちゃ気分がスッキリするのがわかると思います。

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Photo by Bench Accounting on Unsplash


この記事を書いた人

みしゃこ(妻)

1979年兵庫県尼崎市うまれ。今は奈良を拠点に活動中。身の回りや心の軽量化を考えたり実験するのが大好きです。フリーランスのWEB制作屋。得意技は、狙ってないのに入ってしまう頭突きと裏拳。