過去を乗り越えられた、3つのきっかけ

生きてると、ほんっといろんなことがありますね。いじめなど人間関係のトラブル、お金のトラブル、心の病、体の病、事故や天災…大きなものから小さなものまで、ほんといろいろです。

一見、順風満帆に見えている人でも、お話を聞くと必ず悩みは抱えておられます。

中には、過去に起こったことがどうしても辛くて忘れられなくて悔しくて引きずってしまうことも、あります。

「過去に起こったことは変えられない、悩んでも仕方ない、愚痴っても仕方ない」そう心では思うんだけど、ふとした時にぽこっと思い出してなんとも言えない気分になってしまう。ありますよね。

私も一番辛かったとき「どうしてこんな目にあうんだろう」「あいつのせいでおかしくなった」「もう一度やりなおしたい」と昔を振り返って心の中で黒いモヤモヤが育って苦しんでいました。思ったってしょうがない。わかってる!でもどうにもならないんだー!…本当につらい毎日でした。

私より人生経験豊富な方は、さらに想像を絶する苦しみだと思います。夫や家族の話を聞いていても、聞くたびに目元が潤んでしまいます。

ただ、過去の苦しみにとらわれていると本当にもったいないんです。あっという間に時間がすぎてしまいます。なにかをはじめようと思ったときに過去の苦い経験を思い出して一歩が踏み出せず、せっかくの機会を失うこともあります。あの人は過去の愚痴ばかり言っている、と他人から疎まれ距離を置かれることもあります。自信を失ってしまうこともあります。

私は、そうでした。

その状況を脱するためいろいろと試行錯誤をして、いまは過去で苦しくなることが劇的に減りました。逆に過去が浄化されて自分の力になってくれているような感覚です。私の経験談を共有しておこうと思います。

あなたが乗り越えられるきっかけになれば、幸いです。乗り越えるのはタイミングも大事です。今ではなくともいつか必ず乗り越え、顔をあげて歩き始める姿を祈りながら書いていきます。

過去を乗り越えた3つのポイント

必ずある『おかげさま』

あれさえなければ、あいつさえいなければ、そんなことを思っているとき、本当に自分が嫌いで周りも嫌いでした。

私が、周りの期待や希望を叶えるために行った大学や企業。心の底では行きたくないと思っていたのに流れに逆らえずに行きました。結果、心と体に傷を負って動けなくなりました。なんて大きな回り道をしてしまったんだろうと、周りの期待を恨み、自分の弱さを恨み、悔やみました。

ひとりになり、仕事も失い、自信もない。ただ命だけ。

そのときふと思ったんですよね。「いろいろあったけどいま生きてるってことは、その過去の『おかげ』で生かされてるんじゃないか」

なんかくやしいけれど、このままではイヤなので『おかげ』を探してみました。

すると、あったんですねー!

自分の選択だけでは得られない貴重な経験です。キャンパスの中、映画のワンシーンのようなシステム基幹部、中に入らないと見られないし体験できないものたちがありました。転職地獄のおかげで、30代からの転職のコツも掴んだのでアドバイスもできるし、ひきこもり経験のおかげで、独特の焦りと無気力の感覚がわかって、行動できない人に寛容になっている。会社勤務したおかげで、ビジネスコミュニケーションが身についたし、度胸もついた。手に職を持つ大切さもわかりました。

1つ見つかるとゴロゴロ出てくる。起こったことの良い側面を見るか、悪い側面を見るか、その捉え方一つで過去の風景ってガラッと変わるんだと実感しました。こうしてどんどん過去をひもといていくと『すべてに意味があった』と思えるようになってきました。この両親の元に生まれたことも、日本に生まれたことも、この時代に生まれたことも、なにか私なりの役目を果たすために経験したんじゃないか。そう思えます。

1度きりの人生、どうせなら、起こったこと、起こってしまったこと、その過去を『恩恵』だと思って生きたいですね。

あなたもぜひ『そのおかで』を探してみてくださいね。

ハンドルを握る

ただ、『おかげ』だと思えないこともやっぱり出てきます(笑)良い側面が見えても悪い側面が消えるわけじゃないですからね。

あいつのせい、あの出来事のせい。あれさえなかったら。やっぱり思っちゃう。悔しさ、悲しさを忘れられない。

ですが私は幸運にも、それを消すヒントを本から得ることができました。名著『7つの習慣』です。

ひらたく言うと『今の自分は、過去の選択の結果』なんです。いやもう、グサーッ!とくる厳しい言葉ですね…。

あいつのせい、環境のせい、というのは自分は選択をさせられたと思っている状態です。これではいつまでたっても過去が変わらない。悔しいままです。乗り越えたいなら、この捉え方を変える必要がある。つまり、自分が選択したと捉えるんです。

相手が悪いわけじゃない。環境が悪かったんじゃない。強要されたなら逃げてもよかったんです。でも自分で逃げないという選択をした

相手に変わることを期待しているのは、ハンドルを相手に握らせているようなものです。しっかり自分でにぎって、しっかり自分でハンドルをきる。過去も相手にハンドルを委ねていたと考えるのではなく、自分で握っていたと考えるんです。

私は父との溝が埋まる前に父が他界しました。もう対話ではどうにもならない。だから自分が捉え方を変えるしかありませんでした。いつまでも恨んだままではいたくない。この捉え方が心にぐさっと刺さった瞬間、私は過去の悔しさが吹っ飛びました。選ばされたのはなくて、すべて自分で選んでいる。そうして力強く生きるのだと、穏やかに思うことができるようになりました。

ただ私のようにズバッと納得いくことは稀かもしれません。すんなり『自分の選択だ』と思えないものもあると思います。乗り越えられるときはすんなりいけますので、無理せず少しずつ考えてみてくださいね。

いろんな経験談を聞く

私は夫と同じで仕事上いろんな方とお話する機会があり、ほんとうにさまざまな経験談をお聞きしました。

まー私はちっさい人間なので内心「また苦労話かぁ。自分の方がひどいなぁ」とか失礼なことを思ってたこともあります(汗)

でもそれがある日、180度、聞き方が変わりました。

夫婦でスカイツリーの展望に登りました。上空350mから街を見下ろして、夫がぼそっと言った言葉。

「こんだけそれぞれ人生があるんだよなぁ。どんなこと思ってるんやろ」

きっかけって、ほんと不思議ですね。それでストンと、楽になったんです。

「いろんな人生がある」当たり前なんですけど、そうなんですよ。

それぞれ人生があって、それぞれに悩みがあって、それでも必死に生きようとしてる。私だけがトクベツ辛いわけじゃない。辛さは誰かと比較しても仕方がない。

順風満帆はあこがれるけれど、悩みあっての人生なんだな。いろいろあっていいんだよな。そう思えたのは、この夫の一言と、たくさんの経験談を聞ける環境にあったからだと思います。

自分が辛いときは話を聞いてほしい気持ちもあると思いますが、自分も聞くと癒されるんですよね。

夫婦はもちろん、兄弟姉妹、両親、親族、友人、同僚、仲間、ぜひいろんな方の話を聞いてみてください。聞いてあげるだけで相手も軽くなりますし、自分自身もストン、と軽くなる日がくると思います。


今回、ちょっと重い話だったかも(汗)ただ、この話は私にとってとても大切だったので共有させてもらいました。読んでくださっているあなたが少しでも前を向いてあるくきっかけになりますように。

JMAな人生を祈って。

この記事を書いた人

みしゃこ(妻)

1979年兵庫県尼崎市うまれ。今は奈良を拠点に活動中。身の回りや心の軽量化を考えたり実験するのが大好きです。フリーランスのWEB制作屋。得意技は、狙ってないのに入ってしまう頭突きと裏拳。